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2024年8月21日水曜日

イリジウム衛星 サテライトコミュニケーションデバイス

Zoleoというイリジウム衛星を使った電波の届かない緊急用のデバイスを買ってみた。セールで$200で月額$25で専用の電話番号とメールアドレスが持てるというもの。イリジウム衛星は、地球の上空700kmを66個の衛星が周回し、地球のすべて(南極など)から接続できる。

SOSボタンを押すと、遭難救助隊の中の人とBluetooth接続したケータイを通じて、相互にやり取りすることができ、救助を要請することができる。また、電波の届かない山奥でも、200文字以下のSMSやメールを誰にでも、月に25通まで契約したプランでは送ることができる。このため、例えば一人で山に入ったときに家族に到着したことや、GPSで現在地などを知らせておくことができるというものだ。

こういうのは滅多に使うことはないし、使わないに越したことはないが、緊急の場面はいつ来るかわからない。山火事や雪崩、土砂崩れは本当によく起こるので、山道が寸断されてしまえば町まで降りていくこともできないかもしれない。Peace of mindというものだ。

2024年8月15日木曜日

Spences bridge, Lower Nicola, Logan Lake探訪 その2

前週に引き続き、MerrittとLogan Lakeに囲まれた西側の湖がたくさんあるエリアを探検することにした。あと2日あれば、このあたりの湖のおおよそは行くことができるだろうという計画だった。

8/9/2024

この日も仕事の関係で夜遅く、金夜11pm頃にバンクーバーを出発したが、Hwy1が工事でバンクーバーを抜けるまで1時間くらいかかってしまった。Hopeのガソリンスタンドに着いたのは深夜1:21amだった。ガソリンスタンドにつくとおぞましい数の蛾が光に集まり、セブンイレブンのドアが蛾だらけで開けるのも気持ち悪かった。店内も蛾だらけ。店員の歯が全然ないお兄ちゃんは、数日前のChilcotin riverの土砂崩れ(https://www.cbc.ca/news/canada/british-columbia/bc-chilcotin-river-landslide-struggling-salmon-1.7283539)で山から蛾が流れされてきたと言ってたが本当だろうか?Hwy5からMerrittまで120km走って、先週見つけたLower Nicolaにある道沿いの場所でキャンプする。15℃くらいで肌寒い。一度来たとき、山に入る手前か入ってすぐの平らな場所を見つけておくと次回に相当楽な思いができる。結局、2:30am頃に就寝。

8/10/2024

遅めに朝起きると、素晴らしい天気だった。20℃くらいの気温で、時折涼しい風が吹いている。ゆっくり支度をしてLower NicolaのCancoでガソリンを入れ、そしてLogan lakeにHwy 97C経由で向かう。

乾燥して晴れた秋のような天気

Hwy97CからWitches Broom Roadを経由してGump LakeのRec siteに12:30pm頃に到着。雲行きが怪しいがここでランチ。Gump Lakeは手前が沼地になっており、釣りやボートをするには少し微妙だった。サンドイッチを作りステーキを焼いていると、雷がなり始めて小雨が降ってきたが、晴れ間も見えるのであまり気にせず数キロ先のTupper Lakeに行ってパドルボートと釣りをすることにした。

Tupper Lakeの眺め

Tupper Lakeは水温も高く釣りやボート遊びには絶好の場所だったが、残念ながらトラウトは釣れず。湖の奥の方ではかなり魚がジャンプしていたので、釣れると思ったがだめだった。4時ごろまで遊んで、そこから西へ40キロほどオフロードを走って、Big O.K. Lakeを目指した。湖の回りは、ごつごつした岩場で荒れた路面だった。ときおりタイヤを置く位置を確認しながらピクニックテーブルのある場所でキャンプすることにした。眠くて9時ごろには就寝。標高が1,600メートルくらいあったので、夜はかなり冷えた。おそらく10℃くらいだっただろう。

パドルボートを屋根に固定しておくとすぐに水に出せて便利だった

8/11/2024

この日は昨日走った道を戻るような形で、西へ40キロくらい走り、Antler Lakeへ行ってみることにしたが、この湖の手前は着いてみると湿地帯となっており、釣りができなさそうだったので、近くのDot Lakeに行くことにした。Dot Lakeは釣りができるようなデッキまで作られた場所だったが、あいにく小さなトラウトしかおらず針が大きくて餌を食べられるばかりだった。

夕方にLower Nicola方面を目指して山を降りはじめ、1時間くらい走って4pm頃にトレイルの入口まで戻った。途中、メインのFSRに合流する前のStumbles creekあたりの道はdeactivated(メンテナンスされていない山道)されており、水が流れ込んだ跡があり、岩が転がり、草が生え放題で走るにはかなり良かった。タイヤの空気を35PSIまで戻して、Merritt経由でHopeまで戻ったら6pm頃だった。サブウェイで夕飯を食べて、9時前には帰宅した。



2024年8月13日火曜日

Spences bridge, Lower Nicola, Logan Lake探訪 その1

二週にわたり、Spences bridgeとLower NicolaそしてLogan Lakeに囲まれた100km四方くらいのエリアを探検した。地図を眺めているとこのエリアには、20個以上の大小さまざまな湖が点在しており、釣りとキャンプにはもってこいの場所であるが訪れたことはなかった。また、山火事で一部が消失しているが、林業が盛んで無限に大小様々な道とトレイルが張り巡らされており、とても魅力的な場所だ。

青で囲ったエリアを探検した

これはTopNotchNavigatorのスクリーンショットだが、見て分かる通り、まさに網目のように、オフロードトレイルが続いている。実際は行ってみないと倒木や落石、また古い道は木が成長してしまい通れないことも多いがとにかく無限の可能性を感じる。
☆マークは、湖に面したレクリエーションサイトだが、これも無限にあり時間が足りない

8/2/2024-8/4/2024

金夜11pm頃にバンクーバーを出発し、Hope経由でLyttonに到着したのは2:37amだった。暗闇のなか、Botaine Creek Roadを北上して、適当な場所で寝たのは3:30頃だった。疲れ果ててすぐに寝たが、朝になると直射日光を遮る森がまったくない場所で寝ていることに気づいた。暑すぎる。寝不足の中、Botaine Lakeをその先の目指してみたが、Spences bridgeから先のAshcroftで大規模な山火事が起きていて、避難警告が出ていた。消防の人たちがスプリンクラーの確認に来ていた。どうも湖の先からは、Lytton First Nationの人たちのReserve landで先に行けなさそうなので、LyttonからSpences bridgeを経由してHwy8に入り、そこから湖がたくさんあるエリアを目指すことにした。とにかく暑い日。

Hwy8はハイウェイといえど、走ってみるとダートでとても100km/hなどで走れるような道ではなかった。道の途中、大きなbig horn seepの群れに遭遇する。気温がどんどん上がり37℃以上あった。Skuhun creek roadから山のなかに入っていく。目指す場所は標高1,600mなので、幾分は涼しいだろうと期待。タイヤの空気を抜くときに外気温を測ると44℃を記録していた。18PSIで走る。


道はそこまで悪くないが傾斜もきつい。2WDのまま走っているとエンジンの温度が徐々に上昇してオーバーヒート気味になってしまった。慌てて4LOに入れるとすぐに正常に戻った。ラジエーターのファンが2WDだと高回転にならないので、外気温と傾斜で冷却が追いつかなかった。面倒くさがらず、すぐにローギアに入れるべきだった。ちょうど1時間かけて29.1km走り、Pimainus Lakeに3:15頃に到着。外は25Cくらいで風も涼しい。ジープの屋根にとりつけた200Wのソーラーパネルは順調に動いており、暑い山の中でフルーツアイスが食べられる贅沢を味わう。

Pimainusとはこのあたりのfirst nationの言葉で、"The flat underneath or near a steep rise"という意味らしい。まさに山を超えたあとに広がる平地のことだ。湖で釣りを始めると早速、20cmくらいの小さなレインボートラウトが釣れた。4匹釣ってさばいて冷蔵庫に保存。蚊やアブもいない。夕飯をつくり、そしてすぐに寝た。

レインボートラウトは淡白で美味い

湖が見渡せる最高のロケーション

3日目、荷物を片付けて近くのRoscoe Lakeに行くと、人が歩けるトレイルがあり、Knight Lakeまで小一時間ハイキング。手前が沼地になっており、魚はいるが小さすぎてアタリを合わせても1匹のみ。昼ご飯を作ってからまたGordon Lakeへ。この日初めて、バギーとダートバイクに乗った人たちに会った。山に人がいない。どこまでもダートが続き、高地独特の風が時折吹く。

Gordon Lakeの美しい眺め

Gordon Lakeに続くトレイルは景色がとてもよく、ほとんど使われていない道で、轍には草が生え始め、岩が転がり、湧き水が流れ込み、そして燃えて枯れきった山には下草と花が咲いて美しかった。湖の近くの最後のセクションは4LOに入れる。着いてすぐに釣りをしたがアタリはなく残念。パドルボートで湖の沖まで行ってみる。アイスコーヒーを入れて、時間がゆっくりと流れる。このエリアを探検するには圧倒的に時間が足りない。

山道を降り、タイヤに35PSIまで空気を戻す。Lower Nicolaを経由してMerrittで給油しつつ、Hwy5経由でバンクーバーへ帰る。総移動距離: 700kmくらい。帰り道、道路脇の木によじ登るかわいい子グマ (Black bear)にも遭遇。その2に続きます。


GPS情報


2024年8月1日木曜日

自作ポータブルバッテリー v2

昨年、12vの自作ポータブルバッテリーを作った。50 hAのLifepo4がアマゾンで$200のセールだった。ホームセンターでプラスティック製の箱を買って、そこに色々と配線をしてキャンプでつかいはじめた。既製品はだいたい、同じくらいの容量 (500Wh–600Wh)で$5-600なので、かなりの節約になった。もともとの目的は、真冬にディーゼルヒーターを動かすためで、これのおかげで–20Cくらいの外気温でも、テントの中は20C以上で快適そのものだった。一方、試作version 1だったので、配線がフューズや電圧モニターなどを後づけしていくとどんどん汚くなって、中がぐちゃぐちゃだった。それからソーラーパネルを使って充電したいと思っており、リフレッシュすることにした。

リチウムイオンバッテリーは、50Ah 12.8V (~640Wh)のままで、ホームセンターのハンティングギアの棚に頑丈なケースがあったので、それを利用。ソーラーパネルは、EcoWorthyの100Wx2枚。コントローラーはソーラーパネルに付属してきたものを利用。このソーラーパネルは200$くらいで格安だが、2つのパネルをつなぐケーブルなどがすべて付属してくるので、とても便利だ。二回目ということもあり、前回の反省をいかして、とてもきれいに配線できた。YouTubeにも動画がたくさんある。
ECO-WORTHY 200 Watts 12 Volts Solar Panel Starter Kit


ケースの蓋にコントローラー、USB-Cなどの電源を使えるようにした

バッテリーとフューズのシンプルな構成


ソーラーパネルはジープの屋根にあるルーフラックに穴を開けて、ブラケットを取り付け、そこにパネルを固定することにした。配線はまだごちゃっとしているが、ひとまずは、リアゲートから内側に引き込むことにした。当初は屋根に穴を開けないといけないと思っていたが、ひとまずはその必要はなさそうだ。
2枚のパネルは縦置きしてもまだスペースはある

さて、外が晴れてきたので、早速充電を始めてみた。完全な快晴ではないが、雲はほとんどない(90%くらい)。この条件で、7.0Aから7.5Aくらいが発電できることがわかった。おおよそ96Wなので夏場に冷蔵庫をマイナス15Cにしても十分賄えそうな発電で満足。理論上、200Wがこの二枚のパネルから発電できる最大なので、50%程度。

3日以上のキャンプになるとバッテリー容量が足りなくなって心配だったが、晴れてさえいれば、ほぼ気にしなくても良さそうだ。暫く実験を続けてみよう。一方、冬は雨季で曇りばかりが続くので、クルマのオルタネーターに繋ぐAC-DCコンバーターがいるかもしれない。
 
発電の様子

2023年10月9日月曜日

3 days camping trip to Princeton - Day 3

 Oct 8 2023 - Day3

7:00 am頃、クルマの中で寝かせていた犬が起きて鳴いたのでテントから出てトイレをさせて周りをしばし散策する。氷点下のような寒さではない。一旦火を起こしてコーヒーを入れるがまだ眠いので二度寝する。

美しい白樺の紅葉

9:34 am 二度寝から起きて朝食。パンに卵焼きとチーズを挟んで食べる。快晴の秋空が今日も広がっている。ゆっくりと支度をして片付け。さて昨日は四駆がないと登れないかと思ったこの先のトレイルは歩いてみると全く問題なさそうだった。橋の壊れたYoungsberg Roadのすぐ横に枯れた川と土手を登れる場所があるのでそこからKettle Valley Roadへ進む。4 kmくらい牧草地帯を縦断する道を進むがほとんど道はメンテナンスされておらず、木が生い茂りクルマに枝が無数に擦れる。そして昨日発見した廃墟の前に差し掛かる。誰の家だったのだろう。外壁の状態はよく二階建てのような作りだ。

Kettle Valley Roadの眺め

廃墟となった家が牧草地帯にひっそりと佇む

11:22 am Kettle Valley Roadは、残念ながら廃墟から少し進むとゲートがありこれ以上は先進むことはできなかった。このさきは牧場として今も利用されているのだと思う。来た道を引き返し、Youngsberg Roadを東に進み、いくつもの湖が近くに点在する場所を目指した。道の状態は悪くなく、紅葉が美しい。

12:01 pm Jonny Lakeに到着。三連休なのに誰もいない。Rickey Lakeとその先にあるClifford Lakeに立ち寄り、眺めの良さそうなRickey Lakeで昼ごはんに休憩することにする。数台のクルマとすれ違う。このあたりは湖が点在しているので湖は一家に一つという贅沢さだ。レトルトのジャンバラヤに焼いたソーセージとトマトを乗せて食べる。うまい。火を起こしだらだらと過ごす。

3:00 pm頃、片付けて来た道とは反対側から山を下りハイウェイを目指す。Youngsberg Roadを進みそしてPike Mountain Forest Service Roadへと合流し、そしてSummit Lakeのすぐ横に出る。12度と気温は暖かく、この道は最高の眺めだった。紅葉で美しいダートが続いていた。10 kmほど走ると舗装路へ。ハイウェイ5a (Merrit-Princeton hwy)で40 kmほど走り、Princetonへと向かう。

4:09 pm Princetonで給油とおやつを買う。その後、泥だらけになったクルマを洗車して泥を落とす。泥とサビが固着すると整備のときに本当に苦労するので、オフロードを走ったあとはなるべく早く綺麗にしておくのが大切だ。さて旅もいよいよ帰路だ。バンクーバーまでは300 kmほどだ。まずはいくつもの山を超えるHwy 3でHopeまで。

5:42 pm Manning ParkにあるLightning Lakeで休憩。さて家までがんばって運転しよう。

8:21 pm 長旅を終えて無事帰宅。Hwy 1は渋滞に捕まることもなく帰ることができた。

  • 移動距離 361 km
  • 総移動距離 701 km

3 days camping trip to Princeton - Day 1

世の中はThanksgivingの三連休ということで、二泊三日のキャンプへ。今回はBCの東へ300 kmくらいにあるPrincetonという人口3,000人くらいの小さな町を拠点に、これまで行ったことのない山奥の村と周辺のトレイルを探検する。

Oct 7 2023 - Day 1

9:35 pm 仕事を終えた金夜。夕飯を食べてから準備開始。スーパーで必要な食料などを買い込む。Tim Hortonsでコーヒーを買って出発。

11:23 pm Hwy 1は遅い時間もあって渋滞もなく順調にHopeのマックに到着。途中、100 km/hくらいで走行中、ルーフトップテントで重心が高くなり風に煽られ運転しにくい。

11: 40 pm Hwy 3に乗り換えて更に東へ。Sunshine ValleyとEast Gateを通過し、100 kmくらい走る。

12:55 am Copper Creekに到着。誰もいないだろうと思っていたRec siteには三連休ということもあり、すでに先客が。そもそも4つくらいしかサイトがない場所。仕方なく真っ暗の中、Placer Bridge Forest Service Roadを上り、寝られる場所を探す。数キロ登ったところで、良さそうな場所を発見。ルーフトップテントを素早く広げて、寝ることにする。とにかく寒い。4度しかない。頭上には無数の星がきらめいている。すぐに眠りにつく。

  • 移動距離: 245 km
  • 総移動距離: 245 km

2023年10月4日水曜日

Camping trip around Carpenter Lake (Lillooet BC)

フロントアクスルの交換を終えて初めての週末。夏の間、山火事がひどく近づくことのできなかったバンクーバーから北へ300 kmほど離れたLillooetへ向かい、長距離の高速走行と四駆の必要ない簡単なダートとオフロードを走りキャンプすることにした。およそ一ヶ月ぶりのキャンプだ。前日の夜に修理のためにおろしていたルーフトップテントや道具類をクルマに戻す。Oct 1-2の一泊。

Google Mapでは出てこないがPembertonからLillooetはこのように一筆書きのルートがある

Oct 1 2023 (Day1)

7:40 am Vancouverを朝早く出発してガソリンを満タンにし、hwy 99に乗り北へと向かう。ハイウェイに乗るまでの道は渋滞もなく快適。

9:31 am 2時間弱でWhistlerまで走りGreen Lakeで休憩することに。気温は5Cとかなり寒いが秋晴れが本当に綺麗だ。途中の山の頂上には新雪が少しずつ見えてくる。

10:10 am Pembertonにすぐ到着し、犬と人間のトイレ休憩。AG Foodで水や鶏肉など必要なものを買い込む。このままhwy 99を北上し、Lillooetまで向かうことにする。距離は100 km大したことないが、ここからハイウェイとは呼べないような片側一車線、急カーブの登り坂が延々と続く。Pemberton-Lillooetはおよそ一時間半くらいだ。多くのカーブは20 km/h制限なので、下道よりも速度が出せない(出しようがない)。ちなみにPemberton-Lillooetの間は人間が住んでいないので、この100 kmの間では給油できないので注意。

11:34 am ハイウェイ沿いに見えてきたDuffly Lakeに到着。秋晴れで雪山が湖に映り込み、最高の景色だ。View pointに適当にクルマを止めて、オーニングを出してさっとラーメンを作り昼ごはんにする。

新雪が山を覆い始めた

1:25 pm Lillooetの数キロ手前のSeton Lakeは立ち寄りたかったポイントの一つ。雲が陰り始めていたがエメラルドグリーンの湖が広がる。湖岸には海から遡上して力尽きたトラウトやサケが大量に死んで腐敗臭が漂っていた。秋が終わろうとしている。ほとんどはクマに食べられたのだろうか。それにしても400 km近く海から遡上してこうして生まれた故郷に戻ってくるのはすごいな。体はぼろぼろに傷つき、鱗が剥がれて白くなってしまったトラウトが何匹も浅瀬を泳いでいた。初めて遡上した魚を見ることができた。

長旅を終えて力尽きたトラウト

1:53 pm Lillooetにようやく到着。1年半振りくらいだろうか。潰れたパン屋は相変わらずfor saleのまま。潰れたスーパーはなぜか営業を再開していた。ここで給油。ここからhwy 99を降りてBridge River Roadを使ってさらに東にあるCarpenter Lakeとその先にあるGold Bridgeという集落を目指す。このあたりで疲れたところでキャンプをしたいところ。Carpenter Lakeは巨大な湖で東西に70 km近くある。Bridge River Rdは途中から舗装路ではなくなり、砂利と土のダートへと変わっていく。Bridge Riverを走り続ける。道のすぐ脇は数百メートル下を流れるBridge Riverへの崖となっている。

美しいダートがどこまでも続く
3:55 pm 途中で休憩を挟み、湖岸を走り、Carpenter Lakeの端に到着する。BC Hydroがここで水力発電をしているよう。湯を沸かし、インスタントコーヒーを入れてしばし湖岸で休憩。ぼちぼち夕飯とキャンプ地を探そうということになる。

5:33 pm Carpenter Lake RoadからMarshall Creek Roadに入り、そこから10 kmくらい進む。二駆でも問題なかった。よかった。途中、何頭かの牛に遭遇。Marshall Lakeという小さな湖岸沿いに3つだけ机のあるcamp siteを発見。誰もいない。ここをキャンプ地にしよう。のどかな場所だ。寒いのでさっそく火を起こし暖を取ることに。およそ半年ぶりの焚き火だ。燃える薪をただぼーっと見つめ、パチパチと薪が燃える音に耳を傾ける時間が続く。ルーフトップテントを広げる。夕飯は、鶏肉で水炊き鍋。締めはラーメン。身体が温まり冬には最高の料理だ。どんどん気温が下がる。おそらく明け方には5度くらいになるだろう。薪を燃やし続け暖を取る。土だらけの犬の足を洗い、後部座席で寝かせる。11時頃には大人も就寝。

  • 移動距離: 354 km 
  • 総移動距離: 354 km

Oct 2 (Day 2)

7:00 am 起床。寒いのでさっそく火を起こす。雲の隙間からほんの10分くらいだけ朝日で湖が薄い赤色に染まっている。湖面には靄が立ち込める。だらだらと片付けてCarpenter Lakeを更に西へと向かう。

11:12 am Carpenter Lakeの端にある小さな村Gold Bridgeに着く。Wikipediaによると1900年代にBCで最も金が多く採掘された炭鉱で、その後掘り尽くしてほぼゴーストタウンとなってしまった場所。しかしながら村にはモーテル、General store、そして野ざらしになったEssoのガソリンスタンドがあり、およそ40人が生活しているらしい。無人のスタンドで念のため給油しようとすると、おばちゃんがタンクの蓋を開けて棒を差し込みなにか作業している。別にガススタの店員ではない。なぜかよく分からないが、月に一度タンクの中のガソリンの残量をこうして測っているらしい。初回になぜかIDを発行する必要があり、その使い方を丁寧に教えてくれてとても助かった。その発行したIDはべつに必要ないのだが、そのステップを踏まないと給油ができないのだ。あとでわかったことだが、Gold Bridgeの数キロ先にあるBralorneは完全に廃墟となったゴーストタウンで、誰も住んでいない場所のようだ。またその先にはPioneer mineという閉山した金鉱もあり、ぜひまた訪ねたい。

Gold Bridgeについた頃から雲域が怪しくなり、雨が降ってきた。地図を見るとHurley River Forest Service RoadがPemberton Meadowまで70 kmほどの山道で繋がっていることがわかった。これを使うとhwy 99で2時間以上かかる道が1時間くらいで山越えできてしまう。道がどれくらい荒れているのか、四駆がないと登れない急斜面があるのか分からないがガソリンは十分にあるので、引き返すことも念頭に行ってみよう。剥き出しの岩が多くある場所もあり標高は最高で1,384 mだったが、二駆でも問題なく走破することができた。雨量がかなり多かった。その後Upper Lillooet River Forest Service Roadへと合流してようやく舗装路 (Pemberton Meadow Road)へ。

12:54 pm 雨もひどいのでマクドナルドで昼ごはんにする。

1:39 pm Hwy 99で帰路。まだ昼なのでひとまずSquamishまで行くことにする。

2:56 pm SquamishのFox&Oakでコーヒーを飲んで休憩。ドーナツも美味しいがシングルオリジンのドリップコーヒーがうまい。そしてバンクーバーへ。

4:37 pm 帰宅。一泊ではもったいないようなエリアだ。また雪が降る前に掘り下げる必要あり。フロントエンドを作り直したジープで657 kmを問題なく走り切ることができて一安心。

  • 移動距離: 303 km
  • 総移動距離: 657 km



2023年8月9日水曜日

Camping trip to Merritt (その2)

5:40 am 新しいテントの匂いになれない犬が何度も寝ては動き回り、明け方に起こされた。ルーフトップテントの寝心地は最高だった。ふかふかのマットレスと寝袋のおかげか、背中も痛くないし、キングサイズくらいの広さがある。大人2人と犬が寝るのには十分だ。テントの外側はかなり結露している。少し通気しておいたほうがいいかな。

8:30 am 朝日が差し込んできた。昨晩の到着は深夜だったので、ここで初めて自分たちがアカマツに囲まれた森で寝ていたことを知る。美しい森だ。気温は15度くらい。お湯を沸かし、インスタントコーヒーを淹れ、バナナを食べ簡単な朝食にする。

はしごから降りれず心配そうに見つめている
10:05 am 最初の目的地 Bluey Lakeへ向かう。30分くらいトレイルを走り到着。先客が何グループかいた。そう3連休の初日の朝。ピックアップトラックに小型の船を載せて釣りを楽しむ夫婦がいる。Bluey Lakeは特別な湖の一つ。水が透明なエメラルドグリーンなのだ。東南アジアのリゾート地にある海のよう。透き通った透明度の高い水質に加え、水深が数メートルと浅く、そして地底が白い砂地で覆われているからだろう。クルマから降りてこの湖の色を見たとき、ああ遥々きてよかったなと思った。
Bluey Lake

小腹がすいたのでさくっと昼ごはんを作る。カレーラーメンとスパイシーフムスを人参につけて食べる。うまい。フムスは、ひよこ豆をペーストにした中東で食べられる付け合せの一つ。こっちのスーパーでは様々な味がついたフムスが売られている。

1:57 pm 給油などをするためにMerrittのダウンタウンまで戻ることに。トレイルを降り、Highway 97Cに合流。所要時間は1時間くらい。

3:14 pm 給油とペットショップで壊れてしまった犬のハーネスを買い直す。助かった。ふたたびHwy 97Cに乗りKane Valley Rdまで。ここからはダート。山というより下草の生えた広大な丘が広がるエリアだ。ここをゆっくりとクルマを走らせ景色を楽しむのが贅沢だ。少しすると放牧された牛が姿を表す。道で寝ている牛たちにゆっくりと近づき、道を開けてもらう。ここの牛はとにかく自由だ。草を食べ、自由に山を移動して寝ている。山はアカマツと白樺が交互に生えている。

美しいダートがどこまでも続く

3:59 pm Englishman Lakeに着く。標高は1,091 m。湖の手前がきれいな下草が生えているので、ここで一旦休憩することにしよう。Platform 7で買ったエチオピア産の豆を挽き、コーヒーを淹れる。小腹が空いたので、Johnsonvilleのソーセージも焼いてしまった。まずフライパンで水を沸騰させソーセージを水がなくなるまで茹でる。そして弱火で焼く。これがうまいのだ。湖の湖岸は少し泥がたまり葦が生えている。Lower mainlandでは見ない植生だ。 

休憩後、Kane Valley RdからVoght Valley Rdへと分岐しさらにShea Lake Forest Service Roadへ進み、キャンプ地を探す。道は荒れてでこぼこだらけだが、特にテクニカルな場所があるわけではない。Shea Lake沿いにはRec siteがあるようだ。何台かのキャンパーたちが見える。さらに進むとトレイルは狭くなっていく。そしてしまいには、30頭くらいの大小様々な牛たちに周りを取り囲まれてしまったのだった。牛が怒って鳴いている。うーん、ここではさすがにキャンプはできないな。もう少し進んでみよう。クルマは牛の糞と泥と砂まみれになっている。すべて牛が最優先。

牛に囲まれて進めない

6:36 pm Tahla Lakeに到着。標高は1,027 m。素晴らしい湖岸を見下ろす場所を見つけた。最高のロケーションだ。誰もいない。さっそく夕飯にしよう。今晩のメニューは、牛肉でタコスを作る。具はパクチー、トマト、オニオン、そしてチェダーチーズ。最高にうまい。

ここから湖が一望できる

20:44 pm ルーフトップテントを広げる。本当に設営が簡単だ。だらだらビールを飲んで過ごしていると、空がオレンジ色へと変化していく。美しい日没だ。アカマツの樹皮が夕日に照らされている。あっという間に一日が終わろうとしている。Tahla Lakeはトップ5に入る最高のキャンプサイトの一つになった。泥と砂にまみれた犬をクルマの中に連れて行く。大人は歯を磨き、顔を洗いそして眠りにつく。

  • 移動時間: 6時間くらい?
  • 移動距離: 96 km
  • 総移動距離: 439 km


2023年8月8日火曜日

Camping trip to Merritt (その1)

夏の間、カナダBC州を冒険するキャンピングトリップを考えていた。BC州はとてつもなく広大だ。南北に直線で1,200 km、東西に1,050 kmもある。候補となっているエリアは、バンクーバーから北へ400 kmほどのLillooetさらに東の広大な辺境Cariboo、そして乾燥した大地の広がるOkanaganのエリア。最寄りの町まで高速で行き、その周辺に延々と広がるオフロードトレイルを走り、探索し、山や荒野でキャンプしながら見たこともない景色を見たい。

決められたキャンプ地にたどり着くことがだけ目的ではない。目的地のはっきりとした一般的な旅行とは少し違う。電波はもちろんガソリンや食料も手に入らない人里遠く離れた山にいくためには、とにかく念入りな準備が必要だ。山道専用の地図と衛星地図をにらめっこし、等高線からどれほどの傾斜があるエリアかを把握する。きれいな色の湖や滝にピンを立てておく。水や食料のほかに、燃料を計算したり、スペアタイヤ、ジャッキ、コンプレッサ、ー万が一クルマが壊れた場合に修理するための一通りの工具などキリがない。というか、クルマが壊れてもなんとかアテをつけて直せるだろうという自信が必要だ。山道を走り、キャンプ地を探すこと、未知のエリアを探索すること、作る料理を考えること、様々に起こる問題を解決しようとする行為の総体。これが病みつきになる。

旅の始まり

BC州の夏は山火事がひどく今年ものその例外ではなかった。そのため比較的マシだと思われたBC州東部の町MerritおよびKamloopsを目指し、ここから周辺の山々を転々と移動しようと考えた。Vancouver-Merritはおよそ300 kmなので休憩を入れて4時間ちょっとくらいだろうか。

金夜に出発し月曜に帰ってくる4日間の計画。朝、まずはいつものように大学に向かう。ジープのエンジンをかける。ウィーンと唸る音がする。なんだろう?前日まで問題がなかったのに。。。一気にテンションが下がる。いつもこうだ。誰かに行くなと言われている?

一度クルマを路肩に停めて、エンジンを見てみよう。少し吹かしてみると、回転数と完全に連動した音だとわかった。ベルトか?エンジン内部か?あるいはオルタネーターか。異音の場所は突き止められなかったが、ミーティングの時間が差し迫っていたので、様子を見つつとにかく大学まで行ってしまおう。すこし走るとバッテリーの警告灯がついたので、OBDポートにスキャナーを差し込み、ケータイでクルマの電圧をチェックしながら大学へ向けて残りを走る。11Vから10.9Vくらいだ。低い。オルタネーターがほぼ逝ってしまったんだろう。バッテリーが充電されていない。とにかく15kmほど離れた職場のある大学まで到着。

昼過ぎにLordco (パーツストア)に電話し、適合する型番のオルタネーターの在庫を確認。バスで店までピックアップし、大学の駐車場まで工具とオルタネーターを持っていき、さっそく新品に交換。20分くらいで完了。センサーを取り外すのに少し苦労。規定のトルクでボルトを締める。・・・エンジンをかけてみる。。。いつものエンジン音だ!電圧をすぐにチェック。13Vくらいだ。問題ないだろう。唸る音はやはりオルタネーターだった。もし解決しなければ次はバッテリーということになるが、おそらくまだ持つだろう。デンソーのオルタネーターは、20万キロ以上働いてくれた。これでキャンプに行けるぞ。自分の診断がバッチリ当たっていたこと、そしてまたクルマが動き出すことは嬉しい。

そして動き出す

7:40 pm 食料や衣類、工具を詰め込みようやく出発。VancouverからHighway 1でHopeへ向かう。道は空いている。100km/hくらいで巡航。

9:28 pm Merritとの中間地点Hopeに到着。マクドナルドでアイスコーヒーを買いしばし休憩。そしてHighway 5 (Coquihalla highway)に乗り換えMerrit方面へ。1年以上ぶりだ。Coquihalla hwyは北米の中でも最も危険なハイウェイと言われ、突然の猛吹雪ですごい数の事故が毎年の冬に起こる。トラックは横転し、一つのスリップが玉突き事故になる。Hopeから最初の30 kmくらいの区間で標高1,000 m以上登るため、非力なエンジンにはとてもきつい。ほとんど3速にシフトダウンして走る。燃費は最悪。V8エンジンが欲しくなる。こういう坂道は運転したくない。夏場、オーバーヒートしたクルマが路肩に止まっているのは風物詩。次は自分だとヒヤッとする。HopeからMerritまでの120 kmくらいの間に町らしい町はなく、給油や食料の調達などは必須。峠を何個も越えていく。

11:08 pm Merritに到着し給油。ひとまずHighway 5A (Princeton-Kamloops Hwy)から97C (Okanagan Connector)に入り40 kmほど東へ走りBluey Lakeへ向かう。ここはBC州のProvincial Parkの一部で、三連休の前日もあり結構人がいるようだ。トレイルは平凡で二駆で十分走れるレベル。Bluey Lakeの途中にテントを張れる場所を見つけ寝ることにする。

1:04 am 初めてルーフトップテントを試す夜。マットレスの寝心地が楽しみだなあ。20キロもある犬もクルマの屋根に取り付けたテントに頑張って運び込む。標高は1,068 m。15˚Cくらいか、少し肌寒い。ジープはよく走ってくれた。新品のオルタネーターも問題なし。きっと明日は素晴らしい色の湖を見ることができるだろう。テントの灯りを消す。気づくと眠りに落ちていた。

  • 移動時間: 5時間24分
  • 移動距離: 343 km 
  • 総移動距離: 343 km