2023年8月9日水曜日

Camping trip to Merritt (その2)

5:40 am 新しいテントの匂いになれない犬が何度も寝ては動き回り、明け方に起こされた。ルーフトップテントの寝心地は最高だった。ふかふかのマットレスと寝袋のおかげか、背中も痛くないし、キングサイズくらいの広さがある。大人2人と犬が寝るのには十分だ。テントの外側はかなり結露している。少し通気しておいたほうがいいかな。

8:30 am 朝日が差し込んできた。昨晩の到着は深夜だったので、ここで初めて自分たちがアカマツに囲まれた森で寝ていたことを知る。美しい森だ。気温は15度くらい。お湯を沸かし、インスタントコーヒーを淹れ、バナナを食べ簡単な朝食にする。

はしごから降りれず心配そうに見つめている
10:05 am 最初の目的地 Bluey Lakeへ向かう。30分くらいトレイルを走り到着。先客が何グループかいた。そう3連休の初日の朝。ピックアップトラックに小型の船を載せて釣りを楽しむ夫婦がいる。Bluey Lakeは特別な湖の一つ。水が透明なエメラルドグリーンなのだ。東南アジアのリゾート地にある海のよう。透き通った透明度の高い水質に加え、水深が数メートルと浅く、そして地底が白い砂地で覆われているからだろう。クルマから降りてこの湖の色を見たとき、ああ遥々きてよかったなと思った。
Bluey Lake

小腹がすいたのでさくっと昼ごはんを作る。カレーラーメンとスパイシーフムスを人参につけて食べる。うまい。フムスは、ひよこ豆をペーストにした中東で食べられる付け合せの一つ。こっちのスーパーでは様々な味がついたフムスが売られている。

1:57 pm 給油などをするためにMerrittのダウンタウンまで戻ることに。トレイルを降り、Highway 97Cに合流。所要時間は1時間くらい。

3:14 pm 給油とペットショップで壊れてしまった犬のハーネスを買い直す。助かった。ふたたびHwy 97Cに乗りKane Valley Rdまで。ここからはダート。山というより下草の生えた広大な丘が広がるエリアだ。ここをゆっくりとクルマを走らせ景色を楽しむのが贅沢だ。少しすると放牧された牛が姿を表す。道で寝ている牛たちにゆっくりと近づき、道を開けてもらう。ここの牛はとにかく自由だ。草を食べ、自由に山を移動して寝ている。山はアカマツと白樺が交互に生えている。

美しいダートがどこまでも続く

3:59 pm Englishman Lakeに着く。標高は1,091 m。湖の手前がきれいな下草が生えているので、ここで一旦休憩することにしよう。Platform 7で買ったエチオピア産の豆を挽き、コーヒーを淹れる。小腹が空いたので、Johnsonvilleのソーセージも焼いてしまった。まずフライパンで水を沸騰させソーセージを水がなくなるまで茹でる。そして弱火で焼く。これがうまいのだ。湖の湖岸は少し泥がたまり葦が生えている。Lower mainlandでは見ない植生だ。 

休憩後、Kane Valley RdからVoght Valley Rdへと分岐しさらにShea Lake Forest Service Roadへ進み、キャンプ地を探す。道は荒れてでこぼこだらけだが、特にテクニカルな場所があるわけではない。Shea Lake沿いにはRec siteがあるようだ。何台かのキャンパーたちが見える。さらに進むとトレイルは狭くなっていく。そしてしまいには、30頭くらいの大小様々な牛たちに周りを取り囲まれてしまったのだった。牛が怒って鳴いている。うーん、ここではさすがにキャンプはできないな。もう少し進んでみよう。クルマは牛の糞と泥と砂まみれになっている。すべて牛が最優先。

牛に囲まれて進めない

6:36 pm Tahla Lakeに到着。標高は1,027 m。素晴らしい湖岸を見下ろす場所を見つけた。最高のロケーションだ。誰もいない。さっそく夕飯にしよう。今晩のメニューは、牛肉でタコスを作る。具はパクチー、トマト、オニオン、そしてチェダーチーズ。最高にうまい。

ここから湖が一望できる

20:44 pm ルーフトップテントを広げる。本当に設営が簡単だ。だらだらビールを飲んで過ごしていると、空がオレンジ色へと変化していく。美しい日没だ。アカマツの樹皮が夕日に照らされている。あっという間に一日が終わろうとしている。Tahla Lakeはトップ5に入る最高のキャンプサイトの一つになった。泥と砂にまみれた犬をクルマの中に連れて行く。大人は歯を磨き、顔を洗いそして眠りにつく。

  • 移動時間: 6時間くらい?
  • 移動距離: 96 km
  • 総移動距離: 439 km


2023年8月8日火曜日

Camping trip to Merritt (その1)

夏の間、カナダBC州を冒険するキャンピングトリップを考えていた。BC州はとてつもなく広大だ。南北に直線で1,200 km、東西に1,050 kmもある。候補となっているエリアは、バンクーバーから北へ400 kmほどのLillooetさらに東の広大な辺境Cariboo、そして乾燥した大地の広がるOkanaganのエリア。最寄りの町まで高速で行き、その周辺に延々と広がるオフロードトレイルを走り、探索し、山や荒野でキャンプしながら見たこともない景色を見たい。

決められたキャンプ地にたどり着くことがだけ目的ではない。目的地のはっきりとした一般的な旅行とは少し違う。電波はもちろんガソリンや食料も手に入らない人里遠く離れた山にいくためには、とにかく念入りな準備が必要だ。山道専用の地図と衛星地図をにらめっこし、等高線からどれほどの傾斜があるエリアかを把握する。きれいな色の湖や滝にピンを立てておく。水や食料のほかに、燃料を計算したり、スペアタイヤ、ジャッキ、コンプレッサ、ー万が一クルマが壊れた場合に修理するための一通りの工具などキリがない。というか、クルマが壊れてもなんとかアテをつけて直せるだろうという自信が必要だ。山道を走り、キャンプ地を探すこと、未知のエリアを探索すること、作る料理を考えること、様々に起こる問題を解決しようとする行為の総体。これが病みつきになる。

旅の始まり

BC州の夏は山火事がひどく今年ものその例外ではなかった。そのため比較的マシだと思われたBC州東部の町MerritおよびKamloopsを目指し、ここから周辺の山々を転々と移動しようと考えた。Vancouver-Merritはおよそ300 kmなので休憩を入れて4時間ちょっとくらいだろうか。

金夜に出発し月曜に帰ってくる4日間の計画。朝、まずはいつものように大学に向かう。ジープのエンジンをかける。ウィーンと唸る音がする。なんだろう?前日まで問題がなかったのに。。。一気にテンションが下がる。いつもこうだ。誰かに行くなと言われている?

一度クルマを路肩に停めて、エンジンを見てみよう。少し吹かしてみると、回転数と完全に連動した音だとわかった。ベルトか?エンジン内部か?あるいはオルタネーターか。異音の場所は突き止められなかったが、ミーティングの時間が差し迫っていたので、様子を見つつとにかく大学まで行ってしまおう。すこし走るとバッテリーの警告灯がついたので、OBDポートにスキャナーを差し込み、ケータイでクルマの電圧をチェックしながら大学へ向けて残りを走る。11Vから10.9Vくらいだ。低い。オルタネーターがほぼ逝ってしまったんだろう。バッテリーが充電されていない。とにかく15kmほど離れた職場のある大学まで到着。

昼過ぎにLordco (パーツストア)に電話し、適合する型番のオルタネーターの在庫を確認。バスで店までピックアップし、大学の駐車場まで工具とオルタネーターを持っていき、さっそく新品に交換。20分くらいで完了。センサーを取り外すのに少し苦労。規定のトルクでボルトを締める。・・・エンジンをかけてみる。。。いつものエンジン音だ!電圧をすぐにチェック。13Vくらいだ。問題ないだろう。唸る音はやはりオルタネーターだった。もし解決しなければ次はバッテリーということになるが、おそらくまだ持つだろう。デンソーのオルタネーターは、20万キロ以上働いてくれた。これでキャンプに行けるぞ。自分の診断がバッチリ当たっていたこと、そしてまたクルマが動き出すことは嬉しい。

そして動き出す

7:40 pm 食料や衣類、工具を詰め込みようやく出発。VancouverからHighway 1でHopeへ向かう。道は空いている。100km/hくらいで巡航。

9:28 pm Merritとの中間地点Hopeに到着。マクドナルドでアイスコーヒーを買いしばし休憩。そしてHighway 5 (Coquihalla highway)に乗り換えMerrit方面へ。1年以上ぶりだ。Coquihalla hwyは北米の中でも最も危険なハイウェイと言われ、突然の猛吹雪ですごい数の事故が毎年の冬に起こる。トラックは横転し、一つのスリップが玉突き事故になる。Hopeから最初の30 kmくらいの区間で標高1,000 m以上登るため、非力なエンジンにはとてもきつい。ほとんど3速にシフトダウンして走る。燃費は最悪。V8エンジンが欲しくなる。こういう坂道は運転したくない。夏場、オーバーヒートしたクルマが路肩に止まっているのは風物詩。次は自分だとヒヤッとする。HopeからMerritまでの120 kmくらいの間に町らしい町はなく、給油や食料の調達などは必須。峠を何個も越えていく。

11:08 pm Merritに到着し給油。ひとまずHighway 5A (Princeton-Kamloops Hwy)から97C (Okanagan Connector)に入り40 kmほど東へ走りBluey Lakeへ向かう。ここはBC州のProvincial Parkの一部で、三連休の前日もあり結構人がいるようだ。トレイルは平凡で二駆で十分走れるレベル。Bluey Lakeの途中にテントを張れる場所を見つけ寝ることにする。

1:04 am 初めてルーフトップテントを試す夜。マットレスの寝心地が楽しみだなあ。20キロもある犬もクルマの屋根に取り付けたテントに頑張って運び込む。標高は1,068 m。15˚Cくらいか、少し肌寒い。ジープはよく走ってくれた。新品のオルタネーターも問題なし。きっと明日は素晴らしい色の湖を見ることができるだろう。テントの灯りを消す。気づくと眠りに落ちていた。

  • 移動時間: 5時間24分
  • 移動距離: 343 km 
  • 総移動距離: 343 km